ALTZの摩訶不思議な音の冒険にくり出そう!
ALTZのレコード・ディグの道程を追っているようであり、彼の愉快な驚きに満ちたオリジナル・トラックの秘密をのぞき見ているようでもある。
『SLOW CRAPE』は、ALTZのどこまでもご機嫌なファンキー・サイドとはまた違った繊細で複雑な表情を楽しめる。チルアウト?ダウンテンポ?ラウンジ?そうとも言えるかもしれないけど、いやいや、やっぱり違う。ましてやレアグルーヴではない。
ブラコン、スムース・ジャズ、ソウル、フュージョン、ボサノヴァ、スウィート・ソウル、AOR、カントリー、ブラジリアン・サイケ、ピアノ・ジャズ……エトセトラ、エトセトラ。
一見凡庸に聴こえそうな曲にもフレッシュな息吹と魂を吹き込みしなやかに躍動させている。これぞ音楽家ALTZの魔術だ。
さあ、摩訶不思議な音の冒険物語にくり出そう!(二木信)
■Altz■
岐阜生まれ、大阪育ち。思春期に手にしたラジカセ、ギターからその遍歴はスタートする。
80s`ブームに巻き込まれ、当時、マンドリン、ベース、スライドギターなどをバンドアンサンブルに持ち込み、在籍していたグループJUNKYARD, RUMBLE FISHなどに彩りを添えた。
このころから音楽にのめり込むこととなる。
サイケ、ハードロックからフォーク、ポップス、サザンロック、カントリー、ブラックミュージックなど様々なエッセンスを吸収するなかで、独自のアレンジが形成され、後のダンスミュージックシーンで異彩をはなつようになる。大阪芸大在学中のX0年代にさしかかる頃に放浪癖、特にインドや東南アジアでのサイケデリックカルチャーとの遭遇によってしだいにエレクトリックな方向へ移行。その当時のMPCサンプラーでの録音物がALTZの母体となる。
味園という地でBETALANDとともに仕掛けた〈FLOWER OF LIFE 〉の始動後、師才〈WOODMAN〉が手がけるレアブリーズ・レーベルから1st「FANTASTICO」を発表。その後DJ活動と平行して次々作品をリリース。
「La La La」(2005.LASTRUM)、「Yell」(2006.BEAR FUNK)、「V4」(2007.LASTRUM)。現在4タイトルのフルアルバムを発表している。ファニーかつファンキーなテイスト、そしてなにより摩訶不思議なレンジとオリジナルなグルーブをもつ。
また、その陰にはエンジニアリングを担当するKABAMIXの存在もある。
海外ではスティーブ・コッテイ、イジャット・ボーイズ、ストレンジ・フルーツ、ブレナン・グリーンなどとも交流をもとに、ロンドン、ブータン、NYミニツアーや、BEAR FUNK, DFA,といったレーベルからの12インチ 、アルバムなど。国内外のアーティストのリミックスを含めると相当な量のテイクをリリースしている。どのカテゴリーにも属さないプレイを武器に、ローカルクラブ、フェスを自由に渡り歩き、アンダーグラウンドながら様々なパーティーとセッションを重ねている。またDVDやゲームトラック、TVコマーシャルなどにも楽曲提供。
WALTZ, ADALTZ関連の様々な名義でのリリースも巷で話題になった。 近作では、「EPICS AND DONUTS/MUNGOLIAN JETSET REMIX」「CRO-MAGNON /THE REMIX」(LASTRUM) 、「DUBDUB ON-SENG/CALYPSO ONSENG」(JAPONICA)、「BOREDOMS/VOALTZ/RERELER」(RHYTHM REPUBLIC)「UKAWANIMATION!/ZAUNDTRACK」(AVEX)など。