世界中にばら撒かれたボアダムスの種子が、現代のNYでギャング・ギャング・ダンスのようなポスト・ワールド・ミュージック以降のアート・ロックを開花させたように、2011年の日本でスキルキルスとして結実した。
飽くなき実験と冒険をくり返すアヴァン・ヒップホップ・レーベル〈BLACK SMOKER〉が、オルタナ・ロック・バンドとディールを交わしデビューさせることに驚きはしないが、しかし、このリリースはレーベルとしての新たな挑戦であることは間違いない。
スキルキルスを最初に聴いて真っ先に連想したのは、ギャング・オブ・フォーの『エンターテイメント!』だった。
トライバルなドラミング、ファンキーにうねるべース、スタッカートの効いたヴォーカル、それらにはポスト・パンク的な鋭さがあり、多様なリズムへのアプローチやフリーキーなキーボーディストのプレイからはポスト・ワールド・ミュージック的な感性を感じることができる。
スキルキルスの音楽は、ポスト・パンク、アヴァンギャルド、ガレージ・ロック、ヒップホップの混合物としてのダンス・ロックである。世界中にばら撒かれたボアダムスの種子が、現代のNYでギャング・ギャング・ダンスのようなポスト・ワールド・ミュージック以降のアート・ロックを開花させたように、2011年の日本でスキルキルスとして結実した。そう表現することもできるだろう。平均年齢20代後半。
スキルキルスの6曲入りのデビュー・アルバムの音には余裕があり、さらなる実験を試みるための余白も十分にある。これはほんの始まりに過ぎない。(二木 信)
■■■■■COMMENT■■■■■
「耳から入り込んで腰にキて膝ガクガクになりました。」
LOSTAGE / THROAT RECORDS 五味岳久
■skillkills(スキルキルス)■
アヴァン・ヒップホップ・レーベル〈BLACK SMOKER〉が世に送り出す注目のオルタナティヴ・ロック・バンド。
前身バンド、GeGeGeGeQuartet解散後一年間地下に篭り、2011年1月29日から活動を開始する。スグルスキル(bass)、リズムキルス(drums)、マナブスギル(Vo,Gt)、ヒカルレンズ(key)の4人編成。
ポスト・パンク、アヴァンギャルド、ガレージ・ロック、ヒップホップを呑みこんだ、踊れるようで踊れない、踊れないようで踊れるプリミティヴなサウンドを展開する。
リズムキルスは現在、元ナンバーガールのベーシスト、中尾憲太郎が結成したクリプトシティのドラマーとしても活動中。
デビュー・アルバム『skillkills』を2011年12月〈BLACK SMOKER RECORDS〉から発表する。
Sound: Rock / Alternative / Avant-garde
Format: CD
Label: BLACK SMOKER RECORDS
Release date: 2011.12.24