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新入荷![ 433 a.k.a 田我流 / Beginning ]
2013年02月06日
ここで鳴っているのはあの「B級映画のように」を作った田我流の、紛れも無いもう1つの側面(正にオルタナティヴな)なのである。

これは「D433」こと、田我流によるMIX CDである。
このMIXにはノリのいいダンスナンバーやラップは入っていない。
だから「B級映画の様に」の世界観やstillichimiyaの持っているイキオイを期待するとちょっと違うかも。
かといって聴いているのが苦痛になるようなノイズまみれなシロモノでも、小難しい実験音楽でもない。
本人の弁によると、ラッパーとしての田我流が確立する以前に、彼が集めていた各国のインプロヴァイザーによる音源(即興音楽)やノイズ、現代音楽や実験音楽等の音源を使って彼なりに再構成〜再構築してみる、という基本コンセプトがあったようだ。
つまり再現不可が前提となるインプロヴァイズドミュージックの、何度でも再現可能な録音物を,更に反復、カットアップ、重ね合わせる事で見えてくるものは一体何だろうか?という素朴な疑問と実験精神の賜物である。
そして、ここで鳴っているのはあの「B級映画のように」を作った田我流の、紛れも無いもう1つの側面(正にオルタナティヴな)なのである。
決して取っ付き易いシロモノとは言い難いが、随所にノイズや実験音楽の断片が散りばめられているMIX の割には、ここで鳴っている音は意外にまろやかでどこか切ない。
彼は私にこう言った。
「自分が最初にここで使っている様な音〜音楽を聴いた時の「ナンジャコリャ?」って驚きを、このMIX CD を聴いた若いHIPHOPファンの子にも感じて欲しいんだよね。その中のほんの少しでも、こういう音の世界にハマって色々聴いてくれたら嬉しいよね。」
DJ433…このMIX CDの通低に流れるちょっと切ない感じの滑らかさや、唐突な無骨さ同様、優しいナイスガイである。(伊東 OPTRON 篤宏)

■433a.k.a田我流■
433a.k.a田我流(でんがりゅう / stillichimiya)
山梨県一宮町をベースに活動するMCである。
高校時代にHIP HOPの洗礼を受けMICを握り始めると、高校卒業後の2001年に武者修行の為アメリカ・ニューヨーク州へ留学。
そこでHIP HOP以外にも沢山の魅力的な音楽がある事を知り、サイケバンドでギターを担当するなど様々な音楽の可能性を探求する。
そして一人の黒人青年との出会いによって再びHIP HOP、そして生の黒人文化を体験し再びリリックを書き始める。
アメリカ留学中に様々な経験を積み2004年に帰国。
地元一宮町の幼なじみとラップグループ、stillichimiyaを結成。
クルーとして二枚のアルバムと一枚のミックスCD、一枚のEPを制作した。
またクルーの活動と平行してソロMCとしてのライブ活動や、楽曲制作を積極的に行う。
2008年にファースト・ソロ・アルバム「作品集〜JUST」を自主製作し、発表すると、HIP HOPだけではなく様々な方面から賞賛を受ける。
その後、ラップだけでなく表現者としての活動の幅を広げ、2011年公開された富田克也監督作品「サウダーヂ」では、映画初出演ながら主演を務めるなど、表現力を磨き続けている。
2012年4月には待望のセカンド・アルバム「B級映画のように2」を発表し、夏には初の全国ツアー「B級TOUR -日本編-」を敢行した。
田舎独自の観点、またありのままの日本人としてのRAP STYLE、問題提起にこだわり、実験的かつストレートな音と表現に乗せて吐き出される田我流の音楽は音楽の核、SOULという一言に回帰する。