2012年11月11日
今作の主人公サン・ガブリエル aka ブッチ・フエゴはアメリカ西海岸L.Aの産まれ育ち、俺と同世代の男。
初めて会ったのはBOREDOMSのライブ…
そう、彼はボアのドラマーBOA DRUMMERである。
そして驚くべきことに今はジャマイカのCONGOSのドラマーとしてライブにも帯同し、相変わらず世界中を 旅しながら気軽な便りをたまによこしてくる。
自分のバンドでThrill Jockeyから作品もリリースしたり、震災チャリティのdublab.comでDJしてたり、南米デジタル・クンビア勢とも交流あったり、キャリアはそこそこあり世界中に友達がいるようだ。
そして俺はこの男の世話をいつまで焼き続けるんだろう、と思ってる人間は世界中にいるはずである。
自分もその一人で、この男のデビュー作にして奇作「VOLFE」(ALZMUSICA)のリリースの手ほどきもした。
いつのまにか仲良くなっているが、要はこいつはアメ リカ西海岸00年代インディ・シーンの面白さを凝縮してる男なのだ。
しかし、そんな彼の動きは業界臭さや、計算高さなどとは無縁のパーティ・ピープルであり、一緒に飲んでるうちに「じゃあDJやってよ、ライブやってよ」とかいってるうちにこの極東の最狂レーベル、BLACK SMOKERまでたどり着いたのだ。
今作は奇作、「VOLFE」の続編ともとれるミックスCDである。
ここで鳴ってるのはなんだ?「変なベースミュージック」でいいのではないか?ミミックでビザールなダンスホールやクンビア、R&B、グライム、ダブステップetc,,,,。
ベースミュージックの本場であるイギリス経由の解釈ではなく、アメリカのインディ/オルタナ・シーンからのベースミュージック解釈と21世紀的ヒッピー的ライフスタイルが、こうも自由でふざけたミックスCDが出来上がってしまったのだ。
そして、この衝撃的なアートワークを手掛けるのは同じくBOA DRUMMERであるアメリカ東海岸N.YのHISHAM AKIRA BHAROOCHA。アノBlack Diceの立ち上げメンバーであり、いわゆるアニコレを中心とした「ブルックリン系」の動きの中心人物の一人が盟友のジャケを快諾してくれた。
この奇妙な組み合わせがBLACK SMORKERから出るのがホント面白いことだ。だって、BLACK SMOKERは一応ヒップホップ集団のレーベルってことだし(大分狂ってるが)、それがアメリカのインディ/オルタナ・シーンまで繋がってしまうってので こんなに痛快なことはないでしょ。
どこの音楽業界にもそんなセオリーはない、東高円寺の酒場の邂逅から始まりできあがった"Casual Lazer Mixtape"。
お気軽にお楽しみあれ。
(Shhhhh)