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新入荷![ 5lack / blacksmokecar ]
2011年12月24日
ここ数年、シーンの話題をさらい続けるラッパー、S.L.A.C.K.による初のミックスCDは都市生活者のためのサウンドトラックである。
スムースでメロウな選曲はナイト・クルーズを促進させ、夜霧のような煙を纏いながらアスファルトの上を流れる。
08年の『I'm Serious(好きにやってみた)』発表から稀代のラッパーは歩みを止めていない。『MY SPACE』、『WHALABOUT』、『Swes Swes Cheap』、『我時想う愛』、『この島の上で』と着々と自身名義のアルバムリリースを重ねる傍ら、GAPPER、実兄であるPUNPEEとのユニットPSGや、ISSUGIとのSick Teamとしてもアルバムを発表。
さらにはBudamonkやCES2との共作、そのほか数々の客演仕事をこなすなど、作品への信頼性や期待度は業界一といっても過言ではないだろう。そんな彼が初のミックスCDをBLACK SMORKER RECORDSから発表する。序盤から楽曲を編むようにビートを選ぶ(2曲目には『我時想う愛』内のスキットの元ネタであるShirley Jonesの楽曲も挿し込まれている)S.L.A.C.K.のDJからは、せせこましい既成概念は感じられない。ここから聴き取れるのは緩やかなグルーヴと、夜の帳が下りていくような美しいメロウネス、そしてうっすらとウィードの香り。
アルバムはDr. DreやGhostface Killah、Isley Brothersなどの楽曲を経てゆっくりと着地する。都市生活者にとってのリラックスした“夜”のイメージを具現化したようなミックスである。音盤のそこかしこから、彼のリリックにもある“適当にいけよ”という言葉が聞こえてくるようでもある。
車でも、スケートボードでも、ピストでもいい。各々のナイトクルーズにぜひ同乗させたい1枚だ。(高橋圭太)