2011年03月05日
トラックメイカーとしては勿論、リーダーとしてStimを率い、芳垣安洋のOrquesta Nudge!Nudge!にも参加するなど精力的に活動を続けている、Taichi!!至極のMIX!!
Taichiとの出会いは、彼のファースト・アルバム『Am I』を僕がリリースした時にまで遡る。もう12年くらい前のことだ。
実は、僕はTaichiのことをよく知らないまま、ただその音を気に入ってリリースしたのだった。その後、彼は才能あるトラックメイカーとして世に知られ、Revirthから2枚のソロ・アルバムをリリースし(先頃素晴しいことに再発となった!)、一方ではGroupという名のグループでドラムを叩き、いまはリーダーとしてStimを率い、芳垣安洋のOrquesta Nudge! Nudge!にも参加するなど精力的に活動を続けている。
だけど、いまもってTaichiのことを僕はよく知らないままなのだ。ただ彼の音を聴いて、良い気分にさせてもらっている。Taichiは僕にとってずっとそういう男なのだ。それで充分だとも思っている。そんなTaichiが今度はDJとしてミックスCDをリリースする。DJというよりセレクター、と本人は言っていたが、この振れ幅の広いセレクトを聴いてもTaichiの謎はやっぱり解けない。だが、きっと多くの人を良い気分にさせることだろう。それだけは確信を持って言える。
(原 雅明)
■アーティストプロフィール
Taichi
1999年にsoupレーベルよりファースト・アルバムとなる『Am I』をリリース。繊細なブレイクビーツの上に自由奔放に音粉が舞う、スピリチュアルで幻想的なデビュー作。
2003年にはReivirthよりセカンド・アルバム『weekend control』をリリース。アルバムを全体にわたり、広大なサウンドスケープを展開。
電子的/クールな音像でありながら、美しく、叙情的に描かれた心象風景に多くのリスナーが胸を打たれた。
そして2006年にReivirthよりサード・アルバム『More or Enough』をリリース。エレクトロなサウンドに生楽器を融合させ、クールネスとダイナミズム、統制と自由、美と乱という二面性が多重に表現されたアルバム。スタイルにとらわれず直感的にグッド・ミュージックを生み出す’タイチイズム’はソロプロジェクトだけにとどまらない。前所属バンドGROUPでは独特のドラムミングで、シカゴを代表するポスト・ロック・バンドとして知られるトータスの来日時にはフロント・アクトを務めた。現在は、芳垣安洋(ROVO他)率いるパーカッショニストだけで構成される集団ORQUESTA NUDGE! NUDGE!、中村圭作(stim,kowloon,toe,etc...)とのエレクトロデュオユニットNice Brew、また、Nu jazz,ポストポップバンドstimではドラム兼リーダーを務める。エンジニアとしては、スパングル・コール・リリー・ラインのプロデュース&ミックス、インストバンド最右翼kowloonのファーストアルバム"infection"ではミックスも手がける。
2007年には,Far East Skate NetworkよりリリースされたスケートボードDVD『on the broad』ではサウンドトラックを担当。打ち込みではなく、JAZZミュージシャンを集め映像を見ながらセッションするという発想のもと制作されたスタイリッシュなサウンドが話題を呼んだ。